リスニングルームとスピーカーのセッティング(その2)

オーディオ
スポンサーリンク

前回のつづきです。

リスニングルームとスピーカーのセッティング(その1)
リスニングルームと、スピーカーのセッティングの話をしてみようと思います。22年前に、10畳のステレオ(ホームシアター)専用部屋をつくりました。というか、自宅の新築時に、(どさくさにまぎれて)専用ルームを間取りに加えました。という...

今回はスピーカーのセッティングについて。

長方形の部屋において、スピーカーを短辺に設置するか、長辺に設置するかは、
オーディオファイルの間で、永年、論争の的となってきました。
いや本当です。
ベテランのオーディオマニアの方は、皆さん一家言お持ちのことと思います。
私もこれまで、試行錯誤を重ねてきました。

22年前に、リスニング専用ルームをつくった当初は、短辺にスピーカーを配置し、部屋を縦方向に使っていました。
専用ルームなので、生活動線などを気にする必要はなく、短辺に置こうが長辺に置こうが自由なのですが、
短辺に置いて部屋を縦方向に使うほうが、スピーカーと十分な距離をとれるし、低音もよく出るだと考えていました。

ところが、ある日、書店で「無線と実験」というオーディオ誌を立ち読みしていると、
石井伸一郎という、元テクニクスの技術者の方が、

「10畳の部屋で、標準的な天井高の場合、部屋を縦方向に使っていると、定常波の影響で、低音が消えてしまう。横方向に使うほうが、低音がよく出る」

と書いておられるではないですか。
しかも、実際に、10畳の短辺にスピーカーを設置した場合の周波数特性のデータが添えられており、それを見ると、50~150Hzの幅広い帯域が、ごそっと落ち込んでいました。

晴天の霹靂でした。

そうとわかれば、やってみない手はありません。
労力はかかりますが、1円もかけずに、
失われた低音を取り戻すことができるのです。
さっそく配置替えです。
えっちらおっちらと、重い機器を動かして、
スピーカーを部屋の長辺に設置して音をだしてみると、

なるほど、確かに、このほうが、低音がよく出てきます。
当時はDIATONEのDS-205というバスレフスピーカーを使っていたのですが、
低音が少し過剰なくらいになり、
バスレフポートを部分的に板でふさいで、低音を調整したくらいです。

DIATONE DS-205, 写真は「オーディオの足跡」さんより借用

その状態でしばらく聴いていたのですが、
その後、東京転勤となり、リスニングルームは9年間の休止状態に入ります。

3年前に東京から戻ってきて、リスニングルームを再稼働させました。
再稼働にあたり、現用スピーカーであるB&W804D3も、
当初は、部屋の長辺に設置して聴いていました。

ところが、スピーカーの距離が近すぎるのか、
音像が少しはっきりしないような気がします。
また、頭を少し前後するだけで、音場の表現がコロコロ変わるのも気になってきました。

そこで、遅まきながら、くだんの石井伸一郎氏の著書「改訂増補 リスニングルームの音響学」(誠文堂新光社)を購入し、勉強しました。

この本は、石井先生の研究の集大成というべき内容で、
読みごたえがありますが、コアなオーディオファンにとって、必読の書だと思います。

ちなみに、
「その常識は本当か これだけは知っておきたい 実用オーディオ学」(岡野 邦彦著、コロナ社)もお奨めです。
第4章で、音響学について、コンパクトに、わかりやすくまとめられています。

さて、石井氏の本で推奨されていた、室内音響シミュレーションソフトであるStndwave2も活用して検討した結果、
またまた方針変更、レイアウトを変更し、
短辺にスピーカーを設置することにしました。
約1年前のことです。

Standwave2は大変使い勝手の良いソフトで、
リスニングルームの寸法(幅・奥行き・高さ)を入力の上、
スピーカーの位置と、
リスニングポイントの位置をマウスで指定すると、
リスニングポイントにおける、低域の周波数特性をシミュレートしてくれます。
シミュレーションの結果は、実際の聴感と非常によく一致します。

このソフト上で、短辺にスピーカーを設置し、
リスニングポイントを動かして、
周波数特性をシミュレートしてみると、
リスニングポイントを壁際に近づけると、
低音の落ち込みが軽減されることが判明しました。
下図をご覧ください。

リスニングポイント(水色〇)が部屋の中央に近いと、40-100Hzが落ち込みます。
リスニングポイントを壁際にすると、100Hz以下の帯域が上昇します。

そこで、実際に音を聴きながら、リスニングポイントを前後させ、
低音の量感とステレオ感のバランスが取れるポイントを
探りました。

結果ですが、
スピーカーを部屋の短辺に設置することにより、
音像・音場などステレオ感については、かなりの改善を見ました。
低音の量感は、80から200Hz付近において若干減少しましたが、
80Hz以下の超低域の落ち込みは感じられません。

現在のところの結論としては、
1 長辺置きのほうが低音再生に若干有利。
2 短辺置きのほうがステレオ感の再生に有利。
であり、
ステレオ感を重視する私にとって、
今のところ、短辺置きがベターと考えています。
が、また気が変わるかもしれません。

縦か、横か、論争は続く。

コメント

タイトルとURLをコピーしました